わたしと病気

わたしと病気 その9

2015年11月 晴れてお花の福祉作業所に入所。 まずは、週2日半日ずつで通い始める。 精神、知的、身体。 利用者のみんなはそれぞれに いろんな障害を抱えている。 でもここでは、同じ仲間だ。 初めの数ヶ月は とにかく花の基礎を一から教わる。 この時出会っ…

わたしと病気 その8

デイケアとスポーツセンター そして図書館 通う場所をいくつか確保し 社会との繋がりもだんだんと増えていって 毎日がしみじみと楽しくなってきた。 そんなある日のこと。 2015年の秋口。 小笠原へ失踪した2012年夏から ちょうど3年程経った頃。 デイケアの…

わたしと病気 その7

服薬を毎日欠かさず続けたおかげで 精神的にはだんだんと 落ち着きを取り戻してきた。 ただ、何もやる気が起きない。 虚しさで胸がいっぱいの毎日。 家に籠りがちになる。 なにかこう、のめりこめることや 楽しいことがないかと 携帯ゲームをやってみたり 母…

わたしと病気 その6

船は桟橋に到着。 降りてすぐ、ベテランさんが 「あいちゃん、帽子をかぶって」と言う。 言われた通り、帽子をかぶる。 そして 出口を出てすぐわたしの目に飛び込んできた 本土の警察官さんの姿と 母の姿。 予感はしていたことだけれど ショックを受けて、身…

わたしと病気 その5

警察署での事情聴取がはじまる。 顔写真を撮られ 全ての指の指紋もとられる。 そして、聴取では相変わらず あいちゃん設定で嘘をつき通すわたし。 宗教施設で育った。 世間のことはほとんどわからない。 どこからきたのかもよくわからない。 そして、戻りた…

わたしと病気 その4

救急車が到着したのは 病院というか、小さな診療所。 一人部屋(というか、他に入院患者はいなかった。多分。)のベッドに寝かされて 点滴をうける。 (※この辺りから正直、記憶はあいまい。 だけど、できるだけ書き留めてみます。) そして身体に不審な傷が…

わたしと病気 その3

そして夜の帳が降りてくる。 このまま誰にも見つけられることなく 人知れず息を引き取っていく… はずだった。 ところが。 やがてベンチに男性数名が わらわらと集まり始める。 目を閉じたまま (というか動く気力もないまま) 耳だけをそっとすます。 会話を…

わたしと病気 その2

時は8月上旬の真昼 真夏の太陽照りつける、南国小笠原。 夏が好きなわたしは もうすぐ天国へ行けるんだと なんだかハイになって歩き始める。 地元の子供達の声が遠くから聞こえてくる。 「あの人男の人ー?」 (スキンヘッドだからね〜) 「スカートはいてお…

わたしと病気 その1

さて。病気の話をしようかな。 わたしには持病があります。 精神疾患で 「統合失調症」 といいます。 今は症状がだいぶ落ち着いていますが 発症した5年前 急性期(?)の頃は 幻聴がありました。 わたしの場合、簡単に言うと 「ここから逃げろ。そしてもう死…