わたしと病気 その8

デイケアとスポーツセンター

 

そして図書館

 

通う場所をいくつか確保し

 

社会との繋がりもだんだんと増えていって

 

毎日がしみじみと楽しくなってきた。

 

 

そんなある日のこと。

 

2015年の秋口。

 

小笠原へ失踪した2012年夏から

 

ちょうど3年程経った頃。

 

デイケアのプログラムで

 

フラワーアレンジメント体験があった。

 

障害者向け作業所から

 

先生が来て、指導してくれるらしい。

 

 

普段は正直あまり花に興味のないわたし。

 

ふ〜ん。花ねぇ。どんなかな?

 

そんな軽い気持ちでいた。

 

 

そして当日。

 

いつもの集会部屋には

 

沢山の色とりどりの花材が持ち込まれて

 

各自のテーブルの上に配られる。

 

花を挿す土台(吸水スポンジ)に

 

用意された花を

 

自由に挿していっていいと言われる。

 

 

初めてのことに戸惑いながら、ふと

 

花を手にとって、匂いを嗅いでみる。

 

草花の、素朴ないい匂いがした。

 

もともと、手しごとは大好き。

 

それに、エッセンシャルオイルなどの

 

植物の香りが好き。

 

そんな萌え要素に触発されて

 

気づいたらサクサクと

 

花を挿し、作品を作っていた。

 

うん。けっこう、楽しいかも♬

 

結構イメージ通りの作品が出来上がる。

 

 

まったく同じ花材を使っても

 

人によって、出来上がる作品は

 

本当に十人十色。

 

うわ〜面白いなぁと思いながら

 

他の人の作品を見て回ったりする。

 

 

障害者向け作業所って

 

勝手なイメージで

 

単純作業や退屈な作業ばっかりだと

 

思っていたから

 

「こんな面白い仕事内容の作業所があるのか」

 

と、驚きだった。

 

 

そして、そんな楽しい体験から数日後

 

区役所の担当保健師Aさんから

 

(以前、両親が窓口相談に行った時に

 

対応してくれた親切な職員さん)

 

電話がかかってくる。

 

デイケアの担当保健師

 

Tさんから聞いたんですけど

 

岡田さん、とても楽しそうに

 

お花を生けていたそうですね!

 

Tさんが

 

『岡田さんには絶対この仕事が

 

向いてると思う!

 

一度見学に行って見たらどうかな』

 

と言っていましたよ。

 

今度一緒に作業所に見学に行きませんか?」

 

とのお話。

 

保健師ネットワークすごい!

 

すごく、見守られている感じがして

 

嬉しかった。

 

そしてなんだかワクワクするものを感じ

 

見学へ行ってみることに。

 

 

その作業所は、家から徒歩で5〜6分の

 

好立地にあり

 

工賃は時給150円前後だけれど

 

まずは花屋の基礎の基礎から

 

丁寧に教わることができ

 

生花や造花、プリザーブドフラワーを使って

 

ゆくゆくは商品を作ったりできるらしい。

 

そしてお昼のお弁当は無料で提供される!

 

(ココ重要w)

 

福祉作業所なので

 

万が一調子を崩しそうになっても

 

気軽に相談に乗ってくれる職員さんも

 

常駐している。

 

 

ここに通いたい。

 

病気に理解ある職場で

 

好きな手仕事でお金をもらえるなら

 

こんなありがたい話はない。

 

 

そうして、この作業所に通い始める。

 

 

 

つづく。